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第10回 2017.7.22|ココネリ 研修室 3

ゲスト・スピーカー:長坂寿久さん(逗子フェアトレードタウンの会代表理事、元拓殖大学教授)
会場:ココネリ(練馬区立区民・産業プラザ)3階 研修室2

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記念すべき第10回の公共福祉カフェは、私たちのカフェの仲間でもある長坂寿久さんをスピーカーに「改めて民主主義に必要なものは何か」という大きなテーマでお話をいただき、皆さんとの対話を行いました(詳細は下記のレジュメをご参照ください)。

長坂さんは、現代の世界システムが、ウエストファリア条約(1648年)以来の国民国家を中心としたシステムから、その欠点を補う多元的なシステム(➀超国家的システム [国連など]、➁地域システム [EUなど]、③企業システム [グローバル化した多国籍企業]、④NGOシステム [国境を超えた市民のネットワーク])によって成り立っていることを確認したうえで、民主主義の歴史とその限界を説明します。
民主主義は、国家を中心とした [1セクターモデル] の民主主義がナチスなどの全体主義を生んだ経験を経て、第二次大戦後には主として国家+企業を中心とした [2セクターモデル] によって行われてきました。そこでの利潤中心主義が格差拡大などの弊害を生み、近年はその是正として政府+企業+NPOの [3セクターモデル] が期待されています。

他方、民主主義が本来的にもっている多数決の弊害や選挙制度のもつ問題(小選挙区制や投票率により市民の意見が正しく選挙結果に反映されない、など)に加えて、今日、既成政党が有権者の価値観の変化に対応できていない現状があるといいます。そうした既存の政党政治の失敗・破綻について、1930年代以降のアメリカの状況を詳しく分析・紹介され、そこから現在世界で見られるポピュリズムの台頭も起こっているといいます。そのポピュリズムは、部分的には価値観の多様性を肯定するなど、かつての全体主義とは異なる新しいポピュリズムではあっても、やはり排外主義などの市民を分断する論理と独裁志向をもっており、民主主義の危機である点は変わらないと結論づけています。

こうしたなか、特に歴史的に国・行政などの「公(こう、おおやけ)」にお任せの体質が強く、市民が自ら参加してつくる「公共」領域が希薄な日本で「改めて民主主義に必要なもの」について、長坂さんは「熟議」と「市民社会力」を提唱され、後半のディスカッションに移りました。

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この日の参加者には、ビジネスパーソン、地域でNPOなどに関わる方、自治体職員など(その複数に関わる方)など多彩な顔触れ。長坂さんへの質問では、地域住民の関わりが希薄になり、つながって市民力を発揮したり、課題解決に至ることが難しいなかでどうしていったらよいのか、といった質問が多く出されました。

それに対して長坂さんは、話し合いや協働が不得手な日本社会では、集まって話し合ったり問題解決をしていく際の手助けを行う専門家(ファシリテーター)の助けが必要としたうえで、長坂さんの地元逗子市で全国に先駆けて行政のなかに常勤の市民協働コーディネーターがおかれて大きな成果をあげていることを紹介(第6回公共福祉カフェ参照)。コーディネーターの働きをとおして、話し合いのワークショップによって問題解決にいたった成功体験から、逗子ではワークショップ好き(?)の市民が増え、現在多くのワークショップが行われるようになっているといいます。長坂さんは各地でこうしたファシリテーターを加えた熟議の実践を提案されました。
また市民参加の活動の継続性では後継者の確保が課題になりますが、子育て中のフルタイムの仕事はしていないが力のある女性たちや中高生、大学生にも何かしたいと思っている人が多いことを指摘、逗子での経験から、彼ら自身が参加して行う集まりを行なうことで、彼らからつながりが広がっていったくことを紹介しました。

次回9月30日の第11回では、もう一度長坂さんに逗子での市民参加についてさらに詳しくお話しいただく予定です。(文責:高橋)

 

 

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